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【施設賠償責任保険】香港で店舗やオフィスの事故に備えて加入する理由とは

2024.6.19

店舗で水漏れが発生したり、オフィスで火災が起きたりし、第三者から多大な損害賠償を請求される可能性があることをご存じでしょうか。このようなリスクへの備えとして施設賠償責任保険がありますが、香港では必ず加入しておくべき事情もあります。本記事では、香港で事業を行う企業に必須ともいえる「施設賠償責任保険」の概要および日本との違い、香港で加入が必要とされる理由等について詳しく解説します。 

NNIでは、香港の保険ブローカーとしてお客様の立場に立って最適な保険をご提案いたします。香港の保険についてお悩みの場合はぜひご相談ください。 

施設賠償責任保険とは?概要を紹介

施設賠償責任保険は、店舗やオフィスなど、業務用施設の所有者や使用者などが、第三者に対する法律上の賠償責任を負った際に、その被る損害をカバーする保険です。第三者への損害賠償は被害や賠償金の大きさが予想できません。誰もが巨額の賠償責任を負う可能性があり、必ず手配しておくべき重要な保険の一つです。 

賠償責任保険の概要

施設賠償責任保険は、業務で使用する施設の所有・使用・管理・運営が起因となり、第三者の財物を破損したり、身体に損傷を与えたりしたために、法律上の賠償責任を負担した場合に被るその損害を補償する保険です。 

ここでいう業務で使用する施設には、店舗、事務所、工場、倉庫などがあります。 

詳しくは後述しますが、第三者への危害を与える要因には所有者の責任である場合もあれば、使用者・管理者の責任である場合もあります。そのため自社所有の施設に限らず、賃貸で使用している施設も保険の対象になります。 

日系企業の多くはテナントを借りて使用されている場合が多いと思います。賃貸物件の場合には、賃貸契約時に賃貸人(大家)より加入を義務付けられる場合もあり、また大家によっては例えば「500万香港ドル以上の保険」などと補償最低金額を指定される場合もあります。賃貸契約時や更新時はもちろんですが、その施設の責任者として新たに赴任してきた際などにも賃貸契約を確認し、規定どおりに加入できているか、万一の損害賠償責任発生時の所有者・使用者・管理者などの責任について細かな規定があるか等を確認することが大切です。 

なお、施設賠償責任保険はオフィスパッケージに含まれていることも多くあります。パッケージ契約をされている場合には、その内容も合わせて確認されることをおすすめします。

施設賠償責任保険の保険料は高い?

施設賠償責任保険の保険料は、施設の種類や面積、業務内容、補償上限額などさまざまな条件で決まります。そのため加入される企業によって保険料はさまざまです。 

ただ、同じ企業が加入すべき他のさまざまな保険と比べると、大きく保険料が変わることはありません。新たに保険に加入することでコスト増を懸念される方もいるかもしれませんが、損害賠償責任を負うリスクを考えると、企業にとって加入が重要で、強くおすすめしたい保険のひとつです。

施設賠償責任保険が必要になるケース

施設賠償責任保険の必要性をイメージしていただきやすいように、施設賠償責任が発生する事例を紹介します。とりわけ香港では、日本とは異なる事情や要因で賠償責任が発生するケースもあります。日本と香港の違いもしっかり理解しておくことが大切です。

実際に施設賠償責任が発生する事例

店舗やオフィス、倉庫などといった施設や業務の種類によって起こり得る賠償責任はさまざまですが、例えば以下のようなケースでは施設賠償責任を問われることがあります。 

  • ・お客さまがお店のディスプレイにつまずいて転び、ケガをした
  • ・オフィス内で起きた火災が隣の会社まで延焼しまった
  • ・水漏れ事故が発生し、下の階にある会社の在庫に損害を与えた
  • ・配水管が壊れて大家とテナントのどちらが責任を持つかもめた

ひとつ目の例のように不特定多数の人々が出入りする店舗などではイメージしやすいでしょう。ディスプレイの仕方のほかにも、例えば床が濡れていて滑ったり、タイルの一部が剥がれていてつまずいたりしてケガをするといったこともよくあります。

日本と香港の違いは?

上で紹介した例を見ると、国を問わず施設賠償責任はどこでも発生し得るものであることがお分かりいただけるでしょう。日本と香港のどちらが施設賠償責任の発生リスクが大きいかを比べるのは難しいですが、香港では施設賠償責任保険の重要度がより高いとは言えます。 

例えば上の2つ目の例のように、業務で使用している施設の火災が原因となる場合です。日本には失火法(失火責任法)という法律があり、失火者(火事を発生させた人)に重大な過失がない限り、その人に対して賠償責任を問えないことになっています。これは、仮に隣の人が火事を起こして自分の家屋まで延焼しても、火事を起こした人に損害賠償請求できず、自分が加入している火災保険で対応するというものです。言い換えると、火事を起こした人は隣の人に対する賠償責任を負わないということです。 

しかし香港にはそういった法律はなく、火事を起こした人(企業)は当然ながら賠償責任を負います。また、延焼だけでなく、別の家屋が煙でススだらけになった場合や、消火活動で水浸しになった場合などにも損害賠償請求されてしまいます。 

ほかにも、3つ目・4つ目の例として紹介しましたが、香港では水に関する事故が多くあります。香港では下水に海水が使われており、パイプが腐食しやすいことが要因のひとつです。ただ、これは使用上の管理を怠ったと考えにくい場合もあり、所有者(大家)と使用者(テナント)が責任の所在をめぐって揉め事になりやすいといった事情もあります。 

賠償責任を問われることになった場合、香港では損害額が大きくなる可能性があることも知っておきましょう。香港の建物は日本と異なり、一般的にパイプがコンクリートにそのまま埋め込まれています。パイプの交換ができるように建設されていないため、パイプ交換が必要になるとコンクリートを壊すことになり、パイプ交換にかかる費用も大きくなってしまうのです。

施設賠償責任保険に入っておくべき3つの理由

ここまでの説明で施設賠償責任保険の必要性を感じていただけた方もいるかもしれません。あらためて施設賠償責任保険に入っておくべき主な理由を3つ説明します。

賠償金は予想が付かない

ひとつ目は、賠償金額が予想できず、突発的な高額支払いが発生する可能性があるためです。施設賠償責任は自社の隣や上階・下階の施設に及ぶこともあり、たとえば下の階に3億円の価値があるピカソの絵があり、水漏れで損害を与えてしまう可能性もあるのです。極端な例と思われた方もいそうですが、実際、周りの施設で何を所有しているのかわからず、高級品や貴重品に損失を与えて自分では想定できない高額な賠償を請求されるケースもあります。場合によっては会社存続の危機になることもあります。

弁護士費用がかかる

損害賠償責任が問われる事態が発生すると、保険が下りるかどうかの前に、自社に賠償責任があるかどうかの確認が必要です。その際、場合によっては前述したように所有者と使用者・管理者の間で責任の所在を巡って係争に発展したり、被害者との間で損害額に関してトラブルが起こったりする可能性もあります。いずれの場合も第三者との交渉が必要となり、弁護士費用が掛かるのが一般的です。施設賠償責任保険では弁護士費用のほか、裁判費用もカバーされますので、必ず入っておくべき保険のひとつであるといえます。

オペレーションリスクがある

施設賠償責任は、施設の構造上の問題だけでなく、オペレーションリスクもあります。オペレーションリスクとは、業務遂行リスクのことで、例えばヘアサロンで誤ってお客様の耳を切ってしまったり、カラー剤で服を汚してしまったりというような業務中に第三者に損害を与えてしまう行為をいいます。施設賠償責任保険では、こういった業務遂行中の損害賠償に対し、補償額をカバーすることができます。なお、業務内容に合わせて特約を付けることもでき、自社のリスクに応じた対策ができるのも加入しておくべき理由といえます。

ビジネスリスクに備え、施設賠償責任保険のご検討を

所有物件か賃貸物件かを問わず、各企業は業務で使用する施設の安全性の維持や管理に努めなければなりません。一方で、これらの施設の使用や管理に起因して、第三者の財物や身体に損害を与えてしまうリスクはどの企業にもあるものです。とくに香港では法律や建築構造など日本とは異なる事情もあり、施設賠償責任保険を適切に備えて経営リスクを賢く回避することが大切です。

補足ですが、住宅においても、同様の理由から賠償責任保険を付けておく必要性が有ります。駐在員の住む家を会社で賃貸契約している場合は、借主である会社に賠償請求されるリスクが有りますので、賠償責任保険が含まれている「住宅保険」を手配しておく必要が有ります。

施設賠償責任保険に対するご質問をはじめ、香港でのテナント使用に関するリスクに対する疑問はNNIにご相談ください。弊社は香港の保険ブローカーとしてお客様の状況、業務内容等をヒアリングし、適切な保険をご提案します。まずはお気軽にご連絡ください。